血が、血がぁぁぁ
語るも聞くも涙の出来事。
それは昨日の朝のこと…。
年に一度の健康診断。
血圧、尿検査、レントゲン…いろんな検査の大トリ「採血」。それが悲劇の幕開けだった。
腕をまくり、血管を浮かばせるためのゴムを巻き付け、看護師さんが血管を探る。しかし、いつまで経っても血管を探る手が止まらない。
「おかしいなぁ…」
どこからともなく聞こえる呟きに、須藤の脳裏を嫌な予感がよぎる。しかしここで逃げるわけにはいかん、そう自分に言い聞かせ、必死に気持ちを立て直す。
ようやく狙いを定めた看護師さんがアルコール消毒をした、一拍後。
ぶっすぅ〜
そんないやな音と同時に、聞きたくなかった一言が耳に入った。
「あ、ごめんなさい…」
須藤はただ震えるしかなかった。
ぐりぐり針で血管を探され、思わず呻きながらも微動だにせずずっと耐えしのぶ。
そしてあきらめたのか、ようやく針が抜かれ、反対の手を出すように促される。
須藤は決してMではない(と思っている)。
だから、左の腕で失敗されたら、右の腕を出しなさい…なんてことは本来ならしたくない。
それを前提に、泣く泣く反対の腕を差し出した。
流れは同じ。
ここか、いやこっちか…。看護師が二人に増え、なにやら言い合っている。
その間、須藤はまるで死刑宣告を言い渡された囚人のよう。
速攻この場から逃げ出したい。
でも逃げられない。
時間を置けば置くほど恐怖心は強くなる。
もうあかん…。
半泣き状態の須藤。
そしてようやく場所が決まり、一拍後。
1回目よりも深く、ずしんとくる痛み。
「あ〜よかった、出たわ」
との看護師の言葉。
しかしなぜか血の出が悪いようで、なかなか血が溜まらないのか、いつまで経っても抜ける気配がない。
あとどれだけで終わるのか?
「あと小さいメモリ2つだからね〜」
からが長かった。
ほんとに出ないからって、血の流れを良くするためぬ腕を擦られたりしたが、あまり効果がない。
体は震えが止まらず、握りしめた指先から汗。
恐怖で涙がつと流れる。
1秒がとても永い。
てかまじて何分刺してるねん…。
緊張で半分向こうの世界に逝きかけてる須藤に話しかける看護師。
やめて。こんなに歯を食い縛って嗚咽を噛み殺しているのがわからんのか。
一しゃべるのがどんだけつらいか分かってくれない看護師さんが、ちょっとだけ恨めしい。
そしてようやく解放の時が訪れる。
自分の意思で開けない握りしめた指を、1本1本解いてもらい、背中を擦られながらベッドへGO。
顔から血の気が引いていたらしい。
体の震えが治まるまでしばらく休ませてもらい、10分後に何とか退出することができたのでした。
来年の健康診断、血液検査で逃げ出してしまうかもしれん。
そう思うほどの恐怖体験だった。
ちゃんちゃん。
それは昨日の朝のこと…。
年に一度の健康診断。
血圧、尿検査、レントゲン…いろんな検査の大トリ「採血」。それが悲劇の幕開けだった。
腕をまくり、血管を浮かばせるためのゴムを巻き付け、看護師さんが血管を探る。しかし、いつまで経っても血管を探る手が止まらない。
「おかしいなぁ…」
どこからともなく聞こえる呟きに、須藤の脳裏を嫌な予感がよぎる。しかしここで逃げるわけにはいかん、そう自分に言い聞かせ、必死に気持ちを立て直す。
ようやく狙いを定めた看護師さんがアルコール消毒をした、一拍後。
ぶっすぅ〜
そんないやな音と同時に、聞きたくなかった一言が耳に入った。
「あ、ごめんなさい…」
須藤はただ震えるしかなかった。
ぐりぐり針で血管を探され、思わず呻きながらも微動だにせずずっと耐えしのぶ。
そしてあきらめたのか、ようやく針が抜かれ、反対の手を出すように促される。
須藤は決してMではない(と思っている)。
だから、左の腕で失敗されたら、右の腕を出しなさい…なんてことは本来ならしたくない。
それを前提に、泣く泣く反対の腕を差し出した。
流れは同じ。
ここか、いやこっちか…。看護師が二人に増え、なにやら言い合っている。
その間、須藤はまるで死刑宣告を言い渡された囚人のよう。
速攻この場から逃げ出したい。
でも逃げられない。
時間を置けば置くほど恐怖心は強くなる。
もうあかん…。
半泣き状態の須藤。
そしてようやく場所が決まり、一拍後。
1回目よりも深く、ずしんとくる痛み。
「あ〜よかった、出たわ」
との看護師の言葉。
しかしなぜか血の出が悪いようで、なかなか血が溜まらないのか、いつまで経っても抜ける気配がない。
あとどれだけで終わるのか?
「あと小さいメモリ2つだからね〜」
からが長かった。
ほんとに出ないからって、血の流れを良くするためぬ腕を擦られたりしたが、あまり効果がない。
体は震えが止まらず、握りしめた指先から汗。
恐怖で涙がつと流れる。
1秒がとても永い。
てかまじて何分刺してるねん…。
緊張で半分向こうの世界に逝きかけてる須藤に話しかける看護師。
やめて。こんなに歯を食い縛って嗚咽を噛み殺しているのがわからんのか。
一しゃべるのがどんだけつらいか分かってくれない看護師さんが、ちょっとだけ恨めしい。
そしてようやく解放の時が訪れる。
自分の意思で開けない握りしめた指を、1本1本解いてもらい、背中を擦られながらベッドへGO。
顔から血の気が引いていたらしい。
体の震えが治まるまでしばらく休ませてもらい、10分後に何とか退出することができたのでした。
来年の健康診断、血液検査で逃げ出してしまうかもしれん。
そう思うほどの恐怖体験だった。
ちゃんちゃん。